おはようございます。
あぁ、6月ももう最後の土日。
今年も半年が過ぎましたが、いかがお過ごしでしょうか。
今朝は、ちょっと最近ショックだった話を書きます。
厚生労働省は、ヤングケアラーの支援について「ヤングケアラーの支援に向けた福祉・介護・医療・教育の連携プロジェクトチーム」を立ち上げて、調査を行っています。
その報告やまとめが5月17日付ででています。
その中の「とりまとめ報告概要」に記載されているのですが
『ヤングケアラーに対する支援策、支援につなぐための窓口が明確でなく、また、福祉機関の専門職等から「介護力」と見なされ、サービスの利用調整が行われるケースあり。』
という文言があります。
これを読んで、ちょっとショックでした。いや、かなり。『福祉機関の専門職等から「介護力」と見なされ、サービスの利用調整が行われるケースあり。』の部分が。
PowerPoint プレゼンテーション (mhlw.go.jp)
概要ではなく、報告の方を読んでみると、次のようなくだりがあります。
『ケアを要する家族と同居する子どもは、中高生であっても福祉機関や専門職から「介護力」と見られてしまい、しかも大人の介護者と同等に扱われているため、ヤングケアラーによる介護がなされることを前提とした福祉サービス等の利用調整等が行われるケースがあるとの指摘がある。』
000780549.pdf (mhlw.go.jp)
私は福祉の現場で働いていて、介護プランが関係するケースに関わる機会はこれまでありましたが、私がかかわるケースで、直接に子どもの年齢の人を介護力に考慮した例を知ることはありませんでした。
そういうことが、調査で指定されるほどに、数があるんだな・・・というのが、なんともショックです。
とはいえ、振り返ると、介護保険がらみではなかったものの、子どもの存在をアテにした支援プランを練っている話を聞いたことはありました。親の精神科薬の服薬確認や促しや過剰服薬への注意喚起を、小学生(たしか前半の学年だったので、まだ年齢も一けた台)にしてもらう、というアイデアで、それを医療・福祉・行政の専門職が集まった中で考えているというものでした。
残念ながら、私はそのケアチームのメンバーでもなのでもなかったので、『それって、子どもにとってはすごく負荷になると思う。親が薬を飲めなかったときや、飲みすぎて調子が変わった時、事故になったとき、その小さな子は自分を責めることになりかねない。子どもの側で考えたら、それはやめおいた方がいいとおもうけどな』としか言えませんでした。
やっぱり、あるんですよね、だから。こういうケースが。
家庭内でのお手伝いは、家事の経験になり、役に立つ機会にもなり、集団の中でそれを支える一員になる経験は大切なものなので、私は家事のお手伝いはいいことだと思います。ただ、精神的に負荷がかかる内容のこと、失敗した時のダメージが大きすぎるもの、身体的や拘束時間が過剰に負荷になるものは、お手伝いの範疇を超えていると思います。
介護保険制度にも、障害福祉サービスにも、他の福祉関連のサービスや制度にも、限界はあります。隙間もあります。でも、それを改善する力も当然あるとおもいます。時間はかかるものかもしれませんが。
子どもがいるから、子どもにしてもらえばいい、と安易に考えるのではなく、やはりそれは無理があると認識し、違う手段をきちんと考え、手段がなくて困るならそれを考えて行ける世の中であればいいのですが。
ヤングケアラーへの支援の取り組みが、必要な制度の充足を速やかに促し、子どもたちがのびのびと暮らしていける世の中になりますように。
では、良い週末をお過ごしください。