日: 2020年5月22日

後見人と10万円。子どもと10万円。さぁ、どうする?

こんにちは、森のすず社会福祉士事務所です。
5月も、もう下旬になりました。はやい!!

そろそろ郵送が届き始めた「特別定額給付金」の申請書。
思い返せば、2月ごろから怒涛の数か月。
私のところには、2枚のマスクはまだ届かないけれど、周囲のお店でもちらほら売っているのを見るようになった。
そして、いよいよ特別定額給付金の申請を。

成年後見制度では、財産管理と身上監護が、後見人等の2大仕事で、10万円の給付については財産管理の一部として手続きをおこなうことになる。
もっとも、郵送手続きの場合、通帳の写しなども必要だし、なんやかんやヤヤコシイことが書いてあるので、手続きは後見人等が行うのが一般的だろうと思う。

で、その使い道。

当然、手続きをかわってしても、そのお金は被後見人のものであるので、できるだけ希望に沿いたいと思う。
もちろん、財政状況により蹴りで、「10万円、お好きなものを買いましょう!!」と言える場合もあれば、「これは生活費の足しだから、自由になるのはちょこっとだわ・・・なんだかごめんなさい」みたいな場合もあり、一概には言えない。

10万円がもらえるのを楽しみにしている人もいるし、それを全くしらない人もいるし、知っていてもお金に関心がもてず気にしない人もいるし、いろんな人がいるのも、アタリマエだ。

理想と現実が、一致していたらいいのだけれど、それが乖離している場合は、やっぱりきちんと説明をして納得いく使い方が必要かなぁと思う。
もともとは無かった10万円として考えるのも一つの考え方だとは思うけれど、これから先、この国がどうなるのか、この国の福祉がどうなるのかよくわからない状況になってきている気もするので、備えを考える必要もある。

正直、いろいろ、悩ましい・・・。
後見人の仕事って、基本的に、悩ましいことばかり・・・。
いや、お金が湯水のようにあったり、金の卵を産むガチョウがいれば別なんだろうけど、限りがあるから悩ましい。
何が正しく、何がベストで、何を避けるべきか、その場ではわからず、後になってもよくわからないことも多い。
限りあるものから、取捨選択して生きていくのが人生なのかもしれないけれど、後見人をすると、他人の人生のそういう悩ましさを共に持ち、時に本人の理想とは別の選択肢を示したり決定したりすることもあるので、常に悩ましい・・・。

あぁ、10万円・・・。ありがたい10万円。大切に、生活を守り、ちょこっと夢をかなえるように、役立てられる支援をしたいなぁ。

 

尚、ネットニュースで「こどもが『10万円は自分のだから好きに使う』というがどうしたらいいだろうか」みたいな話題を見るが、基本的に未成年の財産管理は親の務め。コロナで休学していた期間は、自宅でホットケーキおやつをつくって普段よりも材料費や光熱費がかかったり、ゲーム代がかかったり、なんやかんやかかったり・・・。暮らしにかかるお金が、普段はどうで、この期間はどうだったのかを考え、家計を考えるいい機会にして、10万円はどうすべきなのかも考える時間にするのが良いのではないかとおもう。学校の勉強も大事だけれど、将来、独立して生きていく中で、家計がうまくやりくりできるかどうかは、大切なスキルだ。節約すること、暮らしに大切なお金の流れを知ること、だいたいの金額を知っておくことは、年齢に合わせて身に着けることで、将来、暮らしやすくなるように思う。「生活感」という言葉をどんなふうに捉えるかと考えると、「生活感がない」ほうがスタイリッシュな雰囲気もするが、でも実際は、生活感をしっかり持って生きている方が安全だ。お金は生活とは切り離せない。考える習慣と限りの中で選ぶ習慣、我慢する習慣はお金に関しては、お金のことが分かり始めたら考えてもいいのではないかと思う。一応FPのはしくれとしてはそう思う。

10万円、自由に使うのは、大人の私も夢ではあるけれど、今回はぱーっと使わずに、これをどう使って、自分の生活を安全に、かつ、より良くするかを考える一つの切っ掛けにしようと思う。

 

なお、私の手元には、まだ郵便の申請書は届いていない。
来週半ばの発想らしいから、もうちょっと先だなぁ。