【記録】ひめじおれんぢ講演会9月8日 @姫路市市民会館

こんにちは。森のすず社会福祉士事務所  森保です。「森を保つ」と書いて、もりやす。

早いもので、9月ももう9日。
今日は9月9日、救急の日。
そういえば昨日はイベント広場で救急車や消防車の見学体験と、ゆるキャラショーが行われていました。
いざというときに頼りになる救急車、必要時に適切に使いたいものです。

そんな秋の一日。
昨日9月8日は、私が行っている活動の一つ、「公益社団法人 認知症の人と家族の会 兵庫県支部」の世話人として、『ひめじおれんぢプロジェクト』の委員として、講演会スタッフをしました。

 

 

 

 

 

 

今回は、その講演会のお話。

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参加した講演会は以下の通りです。

 

 

 

 

 

主催:ひめじおれんぢプロジェクト
テーマ:『認知症のなおしかた』
講師:姫路循環器病センター 高齢者脳機能治療室長・中播磨認知症疾患医療センター長 寺島明先生
場所:姫路市市民会館

 

 

 

 

 

 

正直な感想を言うと、かなりインパクトの強いタイトルだと思いました。
「認知症のなおしかた」

「なおしかた」と聞くと、『え?なおしかた?だって、なおせないでしょう?』と、思う人は少なくないと思います。

 

結論から言うと、少なくとも今の段階ではアルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症など、一般的に認知症として知られているものは、発症すると「根治」という意味ではなおせません。
講演の趣旨のまとめとしては、「予防が大切。早期発見と診断、適切な医療的ケアやリハビリが大切。」というお話。
『あぁ、なるほど、そうですよね。そして、やっぱり、そこ大切ですよね』という感想を持ったのは、予防の取り組みおススメされた『趣味をもつ、運動をする、外に出て話をする、人の話に耳をかたむける、おもいやりをもつ、という5つ』のこと。

もう一度書いておきます。(引用:講演会資料)

  1. 趣味を持つ
  2. 運動をする
  3. 外に出て、人と話をする
  4. 人の話に耳を傾ける
  5. おもいやりをもつ

この5つ、日ごろから意識して取り組むと良いようです。

 

講演では、正しい知識を持つこと、患者さんの症状を知ること、家族の接し方を知ることの大切さについてお話されていました。
まずは、正しい知識をもつこと、すごく大切ですね。

 

そして、認知症患者数の推移や今後の見通し。
世界各国との高齢化率の比較などが紹介されました。日本は戦後からぐんぐん上昇し、2000年に入ったころからは世界一です。

 

認知症についての説明は、今回の講演の主題ですね。
一言に『認知症』といっても、その要因はさまざまあって、この講演会の中でも『アルツハイマー型認知症(老年期のもの、若年性のもの)』や、『レビー小体型認知症』『前頭側頭型認知症』『血管性認知症』の説明や診断方法について説明がありました。

症状については、『記憶』について、具体的な説明がありました。
「まったく記憶がない」ということは一体どういうことなのか。
例えばお酒を飲む人は、泥酔してしまい翌朝になって「昨晩どうやって帰ってきたのか覚えてない・・・orz」という経験がある人がいらっしゃると思います。
その『まったく覚えてない!!』というみたいに、記憶がまったくない、という状態が日常に起きているのが特にアルツハイマー型認知症の方の「おぼえていない」ということだそうです。

そりゃ、不安ですよね。
泥酔した場合、翌日になって「昨日は飲みに行って、いい気になってアレ飲んでこれ飲んで、次にあのお店にいった、、ところまでは覚えてるけど」という泥酔になる前の記憶はあるので、いろいろ合わせて自分の行動を推測できますし、そもそも「飲みすぎて忘れたな」という因果関係もわかるわけですが、認知症で起こる記憶障害の場合、そういう部分は余計に不安をかりたててしまう「わからない!」ということかと思います。

記憶が保持される内容、時間など、これは病気の進行によって変わってきますが、特に記憶時間に関しては、「即時(数秒から数分)」「近時(数分から数週間)」「遠隔(数か月から数十年)」に分けた場合、数分なら保持できていて少し電話で様子伺いをしても記憶障害には気づかない場合がありますね。
長く話すと、同じ話の繰り返しになっている・・・ということがわかる場合があります。
その説明が、来場者の方に分かり易く伝わるように説明されました。

 

ほかにも、中核症状と呼ばれる症状や、BPSDと呼ばれる症状の話、認知症治療薬の開発状況の話、認知症の診断や識別の話など、認知症に関する情報をいろいろ。

そして、本題の「なおしかた」ですが、まずは治療方法のお話がありました。
大切なのは、薬物治療だけで直せるものではなく、『薬物治療と介護と脳リハビリの組み合わせ』が必要、特に非薬物治療は脳リハビリをおこなってシナプス活性を増強したり、適切な介護体制の構築を行って廃用症候群や精神症状を抑えられるようにしたり、デュアルタスクやパーソナルソングや回想法などの療法などが説明されていました。
治療ガイドライン2010も紹介され、その中では薬物治療の前に適切なケアやリハビリ介入の考慮について説明がありました。

つまり、まず大切なのは、環境を整えること、ケアを整えること、なのですね。

 

そして、予防のお話もありました。
現状、治すのはやはり難しいので、予防が大切!ということです。

予防のためには、まず、生活習慣病の予防に取り組み、運動を適度にして、規則正しい睡眠をしましょう!と。特に睡眠は、起きる時間を決めて起きると良いとのことです。

(このあたり、朝がルーズになりがちな私は耳が痛いです・・・。はい、がんばって適度に早起き、毎日します)

脳トレをして、食事をバランスよくし、やりすぎず、持病があるときは主治医に相談し、お薬と上手に付き合い医師に相談!

そして、これ。

もう一度書いておきます。(引用:講演会資料)

  1. 趣味を持つ
  2. 運動をする
  3. 外に出て、人と話をする
  4. 人の話に耳を傾ける
  5. おもいやりをもつ

意識してまいりましょう!

講演会の様子(スタッフ撮影写真引用)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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9月は認知症関連のイベントが多いと思います。
9月21日は世界アルツハイマーデー。

姫路城もオレンジライトアップです!
みなさまの寄付でオレンジライトアップが実現されています。
閉会のあいさつで「お城がオレンジになったからといって、認知症の人が幸せになるわけではありません。お城のオレンジをみて、あぁ認知症啓発カラーだなとわかる人が増えて、認知症についての理解が広まると、認知症になっても住みやすい街になります」というようなお話がありました。
2018年も9月21日に、オレンジライトアップします!イベントは17時から姫路駅北側の広場でやっています。今年は吹奏楽ステージなどがありますよ。
ぜひ、お越しください。

これは2017のオレンジライトアップした姫路城。

 

 

 

 

 

 

 

認知症かな?と思ったら、早期発見・早期受診・早期のケアや体制構築スタートが大切。
そして、認知症予防は、40代から・・・今から始めましょう。

認知症になっても、ならなくても、いつまでも快適に暮らせるといいですね。

 

ちなみに、生活習慣病の予防はもっと若いころからですかねぇ。
適度な運動、バランスの良い食事、質の良い睡眠、人とのコミュニケーションは、認知症予防にもつながりますし、生活習慣病予防とも重なりますし、楽しく毎日を過ごすことにもなるかとおもいます。

食欲の秋ですが、旬のものを適量楽しみ、スポーツの秋・勉強の秋にも、とりくみたいものですね。