今年は読書&記録をやっていきたいと思います。森のすず社会福祉士事務所 森保です♪
2019年の感想文9冊目は漫画作品です→ 『ここは今から倫理です。3』 雨瀬シオリ(著)
読書で漫画というと、読書じゃないと言われてしまいそうな気がします。学校の読書感想文を書くという宿題に、漫画を読んで書いていくと、ダメと言われそうな気もします。一昔・・・もっと昔??前は、大人が漫画を読むなんておかしいというような風潮がありました。電車の中で分厚い漫画雑誌を拡げている大人を見ると、なんだか違和感を感じたのは、私が子どもの頃ですから、ずいぶん前の話。そういえば最近では、分厚い漫画雑誌を電車内で広げているひとは見かけない気がします。そのかわり、手にはスマホを持つ人が多く、見ているものはさまざま。きっと漫画を読んでいる人もいらっしゃるでしょう。
漫画は身近になり、「漫画で読む○○」のようなタイトルで○○にはビジネスから科学や歴史など、さまざまな単語がはいる本が出版されています。漫画という表現を通じて、”情報を得る”ということが一般的になりました。
ということで、今回は漫画です。
この本は3巻で、当然1・2巻もあります。読みました。購入のきっかけは、「タイトルを見てなんとなく」です。
そういえば『倫理』という教科は、確か高校社会の1つの選択肢に会ったように思いますが、私は世界史・地理を選択しようと最初から考えていたので、倫理という科目には全く興味も何もありませんでした。
この漫画を読むと、その科目、今からなら受講してみたいと思います。
この漫画の先生のように、魅力ある先生にであるのかどうかはわかりませんが。
表現方法は漫画本なので、もちろん漫画で描いてありますが、中身は、要所要所に哲学者らの言葉が紹介されています。エピソードは、高校を舞台にしているので、高校生が人生に迷ったり悩んだりする場面なのですが、事例としてはあるかもしれない・・・とおもうようなものが多いです。
第3巻で紹介されている一つは、ホッファーの言葉。
進路に向けて勉強に取り組む生徒への会話の中で使われています。
『他者への没頭は、それが支援であれ妨害であれ 愛情であれ憎悪であれ つまるところ自分から逃げるための手段である』
(ここは今から倫理です。3巻 13話『自分のための勉強』より)
自分を大切に、自分のために、ということを伝える場面で用いられているのですが、この言葉は、福祉の支援者として心に刺さるものがありました。
それについては、またゆっくりと私の考えをまとめたいと思います。
いずれにしても、要所要所で哲学者らの言葉が引用されていて、私にとっては「ほぉ!なるほど、そんなことを言っていた人がいるのか!」と新しく知ることも多いです。そして、短い言葉に、『なんか、刺さるものがある・・・』と感情が勇気や反省を伴って上下します。
真剣に読むと、けっこう疲れる作品です。
今回の表紙には、「寄り添いたい、あなたの心に」のコピーが入った帯もかけてあり、寄り添うってなんだろうな、誰のために寄り添おうとしているだろうか、と改めて自問自答する切っ掛けにもなりました。
4巻が出るのが楽しみです。
そして、この漫画の著者が参考にしているという小倉志祥著の「倫理学概説」という本にも興味がわく今日この頃。
興味を持つといくらでも、無限に知りたいことが広がっていきますね。
「ここは今から倫理です。3」雨瀬シオリ
- 出版社: 集英社 (2019/4/19)
- 言語: 日本語
- ISBN-10: 4088912616
- ISBN-13: 978-4088912615
- 発売日: 2019/4/19