ゴーヤの種は赤い

熟したゴーヤの種は赤い。
知っていたら、驚きはしないけれど、知らないと実を切った瞬間にびっくりすることになる。
あのゴツゴツした、苦い味の実が、熟すとこんなふうになるなんて。

外見とのギャップ。
種の周りのねっとりとした、ほのかに甘い味。
苦いだけのイメージからすると、大きく印象が違う。

ちないに、このゴーヤは、切るまでは中がこんなのだとは思わなかった。
ちょっとやわらかいかな?とおもったけれど。
結構緑色の濃い、ゴーヤのルックスだった。

もしかしたら、人も同じかもしれない。
見た目だけではわからない。
見た目だけでは、変化もわからない。
そんなことがあるかもしれない。
ゴツゴツした見た目でも、中身は赤く柔らかく甘いかもしれない。
逆の場合もあるんだろうけれど。

食感は、薄切りにしてもシャキシャキ感はなく、
ホロホロと崩れるような歯ざわり。

不思議だった。

不思議だった、とても。
でも、同じ袋に入っていた他のゴーヤはしっかり固く、
種も薄い黄色で、同じ色のしっかりした綿にギュギュっとつまっていたけれど
同じ袋に入っていても、それはそれ、これはこれ。

個性がないものは、ない。

 

削り節をかけて食べたけど、
もうちょっと違う食べ方でもよかったかもしれない。
苦味は弱い、ゴーヤの味だった。

ちょっとした、夏の思い出。