読書:『ソーシャルワークマインド 障害者相談支援の現場から』

今年は読書&記録をやっていきたいと思います。森のすず社会福祉士事務所 森保です♪
2019年の1冊目は→ 「ソーシャルワークマインド 障害者相談支援の現場から」山下香(著)

”障害者相談支援”とタイトルに入っていますが、障がいのある方への支援をしている人だけでなく、分野は問わず福祉の仕事についている人、つこうと思っている人におススメ。

いろんな角度からの視点や、年代を振り返って当時の社会の在り方からの考え方が学べる良い本だと思います。

そうですねぇ、たとえて言うなら、なんにでも使える万能出汁の取り方を説明するような感じです。きっと、解っている人にはごくごく当たり前の基本的なことなのですが、でも、何度確認してもいいし、その都度初心に戻り振り返るような。出汁をとるのを慣れていない人には、すぐに役立つちょっとした知恵と、これから経験と共に深まっていく技術の基礎のような。そういうものを伝えるような、本かなぁと思います。

読みやすいですよ。著者の経験した事例とともに気持ちも書かれているので、エッセイを読んでいるみたいな部分も多いです。
そして、章立てが細かいので、短い単位で話題が変わっていくので、少しずつ読むのにも向いています。どこから読んでも読みやすいんじゃないかと思いました。

ちなみに、私は一気読み派です。

内容は、個別支援から組織の中や支援者同士の支援、地域支援まで、ミクロ・メゾ・マクロを網羅した支援について書かれています。福祉・介護の仕事をするときは、たいていの業務の内容は職場によってある程度「個別支援なら個別支援」と決まっているでしょう。相談員なら相談を通じて個別支援(その人に対して必要な支援情報を提供したり調整をする等)をしますが、実際はその表向きの業務の裏側で必要となるのは、たとえば地域の資源を知った上でない部分に関しては何らかの形で働きかけることだったり、施設や事業所のサービスの質や対応幅を協力して向上していくことだったりします。もちろん、相談員や社会福祉士が単独でできるわけはなく、多くの人と協力して行うことになります。それは、公的なサービスにとどまらず、いわゆるインフォーマルなサービスへの展開へも広がりつながるものです。つまり、人的なつながりを日ごろから維持しておく必要はあるし、また、地域共生を考える上では地域での繋がりが保たれることは当然必要で、それがたとえば災害時にも役立つものですよ、という話だな、と。

障害者支援施設で働いたことがある人には、「そうだなぁ、こんなことあったなぁ」と思う部分が多いと思いますし、高齢者施設で働いている人には「似たようなことはあるんだな」と思う部分と障害者の支援を取り巻く歴史にちょっとびっくりすることもあるかもしれません。でも、過去の時代があって今まだその影響は残っているわけなので、それを知っておくことは大切だと思います。

障害がある、とはどういうことなのか、障害者になるということはどういうことなのか。時代とともに変わってきた部分はあると思うし、変わらない部分もあります。これから変えていかなければならない部分もありますし、変えてはいけない部分もあるのでしょう。

支援者が何を大切に思って支援をするのか、これからの未来をより良くするために、一人ひとりは何ができるのか?

そんなことを、いろんな角度から考える必要があるし、今の世の常識だけで捉えてはいけないな、と思いました。

日頃考えていたことと重なる部分が多いので、私にとってはとても読みやすく、「そだねー」と思いながら、明日からの支援を振り返ろうと思います。

【DATA】

ソーシャルワークマインド 障害者相談支援の現場から

山下 香 (著)

単行本: 246ページ
出版社: 瀬谷出版 (2018/12/18)
言語: 日本語
ISBN-10: 4902381397
ISBN-13: 978-4902381399
発売日: 2018/12/18
定価: 1700円+税

今日、12冊もまとめ買いしちゃったんですよね・・・

積んどくで終わらないように、次々よんでいかなきゃ。
次はなにを読もうかなぁ。読んだら感想UPします。