こんにちは。森のすず社会福祉士事務所 代表 社会福祉士の森保純子です。
先日…12月16日(日)に、認知症の人と家族の会兵庫県支部主催(兵庫県委託事業)では、『認知症カフェ連絡・研修会 ステップアップ編』が開催されました。
私は兵庫県支部の世話人を昨年からさせていただいていて、この研修会は昨年から担当しています。
昨年が1年目の開催で、今年は2年目。
2年目になると、運営は少し慣れた・・・かな??
今年は、但馬エリアで「基礎編」を12月8日に開催し、神戸エリアで「ステップアップ編」を開催しました。
但馬には行けなかったのですが、地域の認知症カフェの取り組みを紹介されたそうで、とても活発で認知症カフェ同士も結びつきが強く、また、参加者さんもいくつも日替わりであちこちのカフェに参加されている方がいらっしゃるとか。
地域の中で、楽しみにできる場所になっているようですね。
さて、神戸エリアで開催された研修会には私は担当世話人なので企画から携わっていたのですが、ステップアップ編にふさわしく、かつ、やはり認知症カフェの基本をもう一度振り返ろうとのことで、講演には藤田医科大学の武地一先生をお招きしました。
研修会で印象深かったお話を少し振り返りたいと思います。
まず、一番に「そうそう!』と思ったのは、『認知症カフェが、「認知症の予防」を目的に集まる場になってはいないか?』ということです。
そういえば、そうでしょう。そうおもいませんか?
振り返ると、地域での認知症啓発の活動は、やはり多くの方が関心を示される「予防法」や「予防の取り組み」に偏りがち・・・。
でも、今のところ、認知症に決定的な予防法ってないんですよね。
生活習慣病を予防することはある程度の努力でできるかもしれませんが、認知症の予防はなかなかそうはいきません。
なるときは、なる。
そういうものです、いまのところ。
なので、たしかに、「予防」ばかりを主題におくと、まるで認知症になるのが予防をしていなかったからだ・・・みたいなことになりかねません。
そうではないんですよね。
認知症になるかもしれない、認知症もいろいろあるので、私たちそれぞれがそれぞれに認知症になったり、他の病気になったりしながら過ごしていくのではないかと思います。
そんな中で、幸せだなぁと思って暮らし、楽しいなぁとたくさん感じられると、いい人生だったなぁと思えるんじゃないかと思います。
認知症になっても、それが即不幸というわけでもなく、幸せな気持ちで生きていけている方は多いと思います。
私は、そんな風になりたい!
だから、認知症カフェも、予防ばっかりの場所ではなくて、なんだか居心地のいい、ゆっくりお茶をのんだり話をしたりできる場所だといいなとおもいます。
もちろん、防げるものは防いだほうがいいでしょう。
食事や運動や生活習慣に気を付けることは、大切です。
でも、予防するために生きているわけではないのだから、と思います。
もう一つ印象深かったのは、第2部では先生にQ&Aコーナーで答えていただいたのですが、認知症カフェをしていてよかったと思うことに、専門職だけでの関わりでは見られない、ご本人の生活の一場面が見られる機会ができたこと、というお話をされていました。
私も一応介護業界での仕事もしているわけですが、やはり病院や短時間合うだけの面接場面でお会いするだけでは、分からない部分が多いものだなと思います。
認知症カフェに行くと、もちろん専門的な知識をもった専門職がいたりするわけですが、でもそこは生活の場の一つ、住んでいる街の中の気軽に行ける場所なので、相談室とは違った雰囲気でお会いできることがあります。
そういう場所って、大切だなっておもいます。
これからはますます「地域包括ケア」がすすみ、いくつになってもできるだけ住み慣れた地域で生活をすることになります。
私たち福祉職は、そのような生活が安心して長く続けられるようにサポートするわけですが、そのなかで、改まらない場で普段着の気分でお会いできる場があるということは、その人によりよくあうサポートをする上ではとても良いことだと思っています。
他にも、運営スタッフを複数人にして・・・ある程度人数が多いと、得意なこと苦手なことがいろいろで、認知症カフェ全体としてみるといろいろなことができるカフェになるんだなぁ、とか。
最初はご本人やご家族とお話することを難しく感じても、何度か参加するうちに自然とお話ができるようになるんだな、とか。
参加している誰にとってもよいものだなぁと思います。
そう思うと、やっぱり、認知症カフェがそれぞれの地域のなかで、それぞれの地域に必要とされる形で、拡がり続いていけばいいなと思いました。
あなたの街には、どんな認知症カフェがありますか?よかったら、教えてください。