日: 2018年10月13日

神戸刑務所 矯正展にいってきました。~更生支援はみんなに関係のあること~

10月13日土曜日、いいお天気。今日は神戸刑務所 矯正展へ行ってきました。

例年は土日の二日間で開催されているようですが、今年は本日のみの開催。
お天気に恵まれ、最寄りの西明石から徒歩15分ほど、頑張って歩きました。

神戸刑務所は、名称は「神戸」とついていますが、西明石駅から徒歩15分ほどの場所に位置しています。

 

10時半ごろに行きましたが、会場に着くなり、すごい人。
入り口は、駐車場の空き待ちをする車の列。
そうぞうしていたよりも、すごいイベント。すごい人。

刑務所の駐車場や、壁の中にはいる手前までの庭(?)を使って、たくさんのテントが張られ、さまざまなものが売りに出されていました。

全国の刑務所で作られる数々の品物。
イベントのステージでは、演歌歌手や地元アイドルの歌が。
食べ物のテントでは、甘いものから、ラーメン、からあげ、肉など!
他にも、地元病院による健康測定や、地元社協による福祉相談など。

中でも、やはり人気なのは、刑務所で作られた商品の販売。

棚とかテーブルなどの木工製品、ソファなどの家具、
靴やベルトなどの革製品、メモ帳や折り紙、鞄などの布製品。
さまざまあります。
いろいろあります。
見ているだけでも楽しいです。
中には「監獄」とかいたデザインの商品も。

うーん、なんか、妙にリアル・・・。

私は、両面色のついた折り紙を2セット買いました。
ひとつ180円だから、激安です。

もう一つのこのイベントの目玉は「刑務所内の見学」だと思います。
普段、入ることのないはずの、壁の中。

いい機会なので、見学させていただきました。

見学は時間制になっていて、まずは事前に刑務所の説明と、更生支援の説明を聞きました。
最近は、出所後にまた刑務所にもどってきてしまう再犯の中に、認知症や知的障がいなどの判断力の低下がある状態の人が多いようです。
認知症や知的障がいがある場合、刑務所が果たす「反省して、今後はまっとうに生きていきなさい」という機能は、なかなか果たせません。
そのような場合に必要なのは、反省させる機能よりも、福祉的にそのような人の生活環境を整え、再犯につながらずに生活できる場をつくることです。
そこで、更生支援という福祉職が必要になってきます。

社会福祉士は、最近は更生支援にも参加していますが、神戸刑務所のある明石市では、更生支援に関してはモデル事業をおこない、先進的な取り組みをしている、という説明とパネルを拝見しました。

そして、いよいよ刑務所の塀の中へ。

はい、入所。

もちろん、撮影禁止です。

今日は土曜日ということで、作業はなく、しずかな塀の中でした。

食事のサンプルが展示されていましたが、米7麦3のごはん。
栄養計算された食事は、刑務所にいる間に体形がシュッとスリムになる人も。
その部分はいいようにおもいます。

が、やっぱり、たまには油でギトギトのものを満腹にたべる生活がいいな、と思いました。

工場内では、資格がとれること、それを出所後に活かして生活に役立てることができるという説明を聞くとともに、工場内を見学させていただきました。

あたりまえですが、本格的な設備です。

その後、お風呂。お風呂タイムは15分。

そして、ぐるっと回って、出所。

 

決して自ら進んで入りたい場所ではありません。

「私は、絶対に入らない!」

そんな風に思えるものだと思っていました。
が、実際のところ、認知症が原因と思われる行動でも、場合によっては入らなければならないわけです。

そうであれば、誰もが、「将来、もしかしたら、刑務所に入るのかもしれない。だって、認知症は誰もがなる可能性があるし、どんな認知症になって、どんなことをするかは今の自分の決意ではどうしようもない」のですよね。

他人ごとではないな、と。

 

しかし、『更生支援』が、地域社会の中でごく当たり前に行われるようになれば、そのような心配は減らせるかもしれません。

そのような心配をしなくてもいい将来をつくっていかなくてはなりません。

そんな風に思う、矯正展でした。