『意思決定の支援』のとき、主人公を見失っていないか

こんにちは。森のすず社会福祉士事務所の森保純子です。

あっというまに2月。いつの間にか、2月。

さて、私は相変わらずいろんな場所で相談援助や研修や個別支援などなどを行っています。
そんな中で、日ごろ思うことを書き記しておこうと思います。

 

 

私が支援する際に一番配慮したいところは、「意思決定支援」です。
何かを決めることって、私は極力自分でしたいと思うので。
自分の人生に関わることなら、なおさら。そう思う中で、考えていることです。

いろんな場で相談援助をする中で、もちろんその本人にはその人を取り巻く人間関係や環境があり、その部分も考慮することは大切ですね。
親、夫婦、家族、兄弟、友達、上司、部下、近所の人、世間の目。
同じ環境にいても、ある人は影響を大きく受け、ある人はさほどでもない、ということもあるでしょう。

いずれにしても、人の意思は、時には周りの影響を無意識のうちにも受け、意思決定に影響します。

意思決定は、当然に周囲の状況を判断した上で行われるため、周りから情報を集めることは必要で、その過程でさまざまな要素が入るのは当然のことです。
なので、それは、例え屈強で我の強い個性の大人である人でも、周りの影響なしに意思決定をすることはできないし、例えば判断力や理解力などが低下した人、発達途上の人ならなおさらそうです。

福祉の現場では、基本的に『私は十分に心身が成熟し、精神状態は安定し、万事オッケー、順風満帆!』という人を対象にするのではなく、なんらかの悩みや不調や不安を抱えた方にお会いします。
その当事者を「本人」と表現することが多いですが、当然その課題や悩みごとには「本人」だけでなく、他にも関係者がいることが多いです。

例えば高齢者介護の場合、「本人」は高齢のその人でありますが、関係者としては配偶者や家族や近所の人、福祉サービスに関わっている人も関係がある人です。
ケースによっては、本人よりも周囲の人のほうが困った感や心配が大きい場合もあります。
でも、その課題のメインのストーリーの、主人公はだれか?を考えると、「本人」が誰かなのはわかります。

もちろん、課題に対して本人が一人だけというばかりでなく、親子の支援の場合や夫婦などカップルの支援の場合は、複数人の問題として存在することもあり、それぞれの人が「本人」になる場合もあります。

いずれにしても、「本人」とはその意思決定の影響をもっとも受けて人生への影響がある「本人」ですし、支援者は「本人」の支援者であるならば、「本人」の意思決定については大きな配慮を払うべきだとおもいます。

人生は何かを決める連続です。
意思決定の支援は、一つだけではなく連動して連続しておこなわれていきます。
そんな最中にも支援者は、「意識してる『本人』はきちんと本人であること」を確認し、「誰の支援をしようとしているのか、その結果はどうなるのだろうか、そして、どんなふうに支援の和が作れるのか」を大切に考える必要があるとおもいます。

ときに、強力な影響をもつ家族や周囲の人がいらっしゃることもあります。
良い影響のときもあれば、そうでないこともあるでしょう。
強いパワーのある人間関係の中にいても、そこに本人の自由な意思が反映される状況にあるのか否か、そのあたりは支援者としては適切にアセスメントをしなければなりません。

自由と、納得や理解するプロセスは、意思決定にとって大切。

 

『意思決定の支援』のとき、主人公を見失っていないか??

落ち着いて冷静に、本人主体の支援を続ける。
そんなことを確認しながら、福祉の仕事を続けていきたいと思います。