日: 2018年11月24日

ソーシャルワーク×統計的思考のはなし

こんにちは。森のすず社会福祉士事務所の森保です。

余談ですが、「もりのすず」はもともと『森の鈴』がビーグル犬の愛称であるというのを何かで読み、今は亡き愛犬にちなんで付けました。また、私の苗字の『もりやす』とも音が似ているので、それでいいかーとおもって付けました。現在、結局電話(基本的に携帯)に出るときは、「はい、もりやすですー」と出てしまい、いつまでたっても「もりのすず」は言い慣れず、いざ言おうとすると噛みます・・・。

 

そんな私ですが、本日(2018年11月24日)は、地元の社会福祉士会の地域ブロックのイベントで、「ソーシャルワーク×統計的思考」のお話の前座(? 基礎編?)をお話する予定です。

兵庫県社会福祉士会 東播ブロック集い場5
専門職を考えるシリーズ③
 「ソーシャルワーク×統計的思考~5万円貸してください!?~」

昨日、ぎりぎりで資料を完成させました!

 

そもそも、私も福祉の勉強を大学学部からしていたわけではなく、社会人になってから社会福祉士になりました。もともとの専攻は、マネジメントサイエンス・ソフトウェア開発、障害児教育・心理学などです。福祉というものに本格的に関心を持ったのはずいぶん後です。つまり最近です。

ところで、世の中は、特に医療に関してはEBM、すなわち根拠に基づいた医療を行うということが主流です。説明責任はどの業界でも大切なことです。専門職が専門職として「なぜそれをそうしたのか」ということの説明を、きちんと理由をもって説明することは大切です。

当然、会社の経営でも、教育でも、「どういう理論や理屈に基づいているのか?」は大切です。なので、どちらでも統計の勉強は必要ですし、その知識もある程度は必要です。

福祉の業界ももちろんそうです。介護にしても、きちんとした根拠、判断の理由を説明することが基本的には求められます。もっとも、高齢者介護業界の場合、私の経験では、時にはまだまだ家族さんの「預かってもらってるんだから、我慢しなきゃ」というような思いもあり、なぜ?という問いかけはスルーされる場合もありましたが、それでもやはり説明できるようにしなければならないことは間違いありません。

人の人生に寄り添ってサポートする、というと聞こえは良いのですが、具体性がありません。福祉の仕事は、まさに人の人生に寄り添ってサポートするものなのですが、ここに根拠をもって判断をするということはい一体どういうものなのか?と思います。

「本人の意思」を「決定する支援」は意思決定支援と呼ばれますが、では一体、意思決定には何が必要なのか?本人がきちんと表現できるばかりとも限りません。意思表示ができない場合もあります。理解や判断ができない場合もあります。そこに寄り添っていくとはどういうことなのでしょうか?

また、福祉の仕事は、個人への支援だけではありません。家族、学校、組織、地域、もっと広域の地域、世界にいたるまで、その範囲は、いわゆる「ミクロ」「メゾ」「マクロ」と呼ばれるさまざまな場面に広がります。

ソーシャルワーカーという言葉は、日本では少しずつ広がっているように思いますが、一般的にはソーシャルワーカーが何をする人かは分かりにくいようです。実際、「ソーシャルワーカーってなに?」「社会福祉士はソーシャルワーカーなの?」「どこにいるの?」「なにしてるの?」という質問は常々聞かれます。

一体、ソーシャルワーカーとは何なのか? 「人を助ける」というように理解されてしまうと、昭和の時代にはよく見かけたお節介で世話好きの地域を引っ張るおばちゃんのイメージ…と被ってしまいそうですが、いったいどこが一緒で、どこが違うの?

 

そんな疑問への答えや、ソーシャルワーカーが持つべきスキルの一つとして「統計的思考」が挙げられるのではないかと思います。

おおよそ、かなりの社会福祉士が、「統計はむずかしくってわかんない」という感想なんだろうなーというのは、これまでの仲間内での会話や、私自身の感想、それから今回簡単にアンケートをとった結果からも垣間見えます。

が、そもそも最初から難しい統計をがりがり計算する必要はないように思います。統計的思考とは、要は、「直感的にそう思います」「いいとおもったからやりました」「なんとなくそう言いました」とか同情的な感情だけに押されて何かをしてしまうのではなく、過去・現在・未来のその人やその場所の状況を踏まえ、数値化や形式化できるものはできるようにとらえて考えていこう、というものです。

実際に仕事の中で、高度な統計処理を必要とする取り組みはさほどする機会はないかとおもいます。とくに現場職の場合。研究職ならやってあたりまえですが。しかし、実際の生活の場でこそ、「どうしたらいいのかな」という疑問をもち、どうしていいのかよくわからずに時間だけが過ぎていくことがあるように思います。もしかすると、いくらかでもデータを集め、客観的に見てみると、何か新しい気づきがあるかもしれません。そういうことを、「むずかしそう」と思わずに「やれるかも!」と思ってもらえたらいいな、と思います。

という内容を伝えたいための、発表準備をしました。

内容は、アイスブレークとブレークネタをはさんで60分程度。

個別支援での、直感でやるとき、根拠をかんがえるときの例

職場内での、直感で言う時と、データを捉えて考えるときの例

60分だと計算を実際にやっている時間はないので、今回は本当に導入部分。
今後、「計算の方法や、表現の方法をしりたい!」というリクエストがあれば、お答えしていくことになるのかもしれません。

そんな感じです。

うまくいきますように。そして、ソーシャルワーカーや社会福祉士の働きが、今後より一層地域住民の方に専門職として価値あるものとして提供されるプラスになりますように。