日: 2018年11月3日

福祉サービスって?~原点部分を考える①~

こんにちは。森のすず社会福祉士事務所 森保です。
すっかり寒くなってきました。風邪ひかないように、インフルエンザにかからないように細心の注意を払って生活したいと思う今日この頃。いかがお過ごしでしょうか。

 

さて、今日は「福祉サービス」について考えてみます。

『サービス』という言葉、なんだか従来の福祉の感覚に慣れていると、すこし落ち着かない印象があるような気がします。

サービスって、某カフェでは「サービスの豆菓子です」という言葉と共に、コーヒーとともに豆菓子が提供されていたり、休日に家族を連れて楽しいところへいくことを「家族サービス」と言ったり・・・。

なんだか、『サービス』って、無料で、気前よく、または、ささやかながらも、相手に喜んでもらおうと思ってやる、あれこれ・・・みたいな感じ??

サービス品っていわれると、なんだかお値打ち品なのかなぁ、お得なのかなぁと思ったり・・・。

そういう印象です、私には。

 

一方、『福祉サービス』というと、当然、無料の、気前のいいサービスというわけではありません。

この『福祉サービス』という言葉は、社会福祉法の中に登場し、そこに定義づけられています。

(目的)
第一条 この法律は、社会福祉を目的とする事業の全分野における共通的基本事項を定め、社会福祉を目的とする他の法律と相まつて、福祉サービスの利用者の利益の保護及び地域における社会福祉(以下「地域福祉」という。)の推進を図るとともに、社会福祉事業の公明かつ適正な実施の確保及び社会福祉を目的とする事業の健全な発達を図り、もつて社会福祉の増進に資することを目的とする。

(福祉サービスの基本的理念)
第三条 福祉サービスは、個人の尊厳の保持を旨とし、その内容は、福祉サービスの利用者が心身ともに健やかに育成され、又はその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように支援するものとして、良質かつ適切なものでなければならない。

こうやって見てみると、福祉サービスというものは、尊厳の保持や、心身の健やかな育成や、現有する能力に応じた自立した生活の営みへの支援など、とても重要で厳かな理念をもっているのものだな、と思います。

ところで、「サービス」というものは、いろんな業界にありますが、一般的には「モノ」をやり取りするものではなく、「行動」を行うことであり、福祉サービスも当然「行動」として提供するものです。

また、「サービス」は、人と人とが接するその場で行われ、まったく同じものは二度とは行えず、また行ってしまったことは取り消せないという性質があります。なぜなら、提供する側も、支援される側も、人間であるので気持ちの浮き沈みや体調もあるでしょうし、同じ病気や似たような環境でも、まったく同じ状態の人はいませんし。同じ「食事介助」という支援を行ったとしても、相手によっても、食べ物によっても、状況によっても、それぞれさまざまに変わり、同じ支援場面が何度も繰り返されることはありません。

一般的な「サービス」でも、それがその場で行われ、同一のものはもう二度となく、保存することも、まったく同じように再現することもできないものであるということは、同じです。

ただ、「福祉サービス」の場合、その目的は尊厳保持であったり、心身への支援であり、そのサービスを必要とする人は、なんらかの困りごとを生活上に抱いているということになります。

より一層、適切に提供するための配慮が必要だと言えます。

今の世の中、福祉は選び、契約し、利用するものとなっています。
同時に、その質の向上は「選ばれる事業所」になり、そうあり続けるために、必要です。

地域の中で愛され、必要とされ、また、地域に安心して暮らせるための資源としての役割を果たすために、「福祉サービス」とは一体なにか?どうあるべきか?を考えることは大切なことだと思います。

 

これからまだまだ高齢の方が増える日本社会。

福祉サービスの重要性が増す中で、いったい福祉におけるサービスとはどういうものかを考え、よいサービスを提供できるようにと思います。