地域の避難所を増やすのであれば、を考える。

こんにちは。森のすず社会福祉士事務所です。
たまには、カレーの話以外のブログを書こう!と思います!!

 

ニュース記事を見ていたら、兵庫県内のとある町にある地区の公民館に、お風呂場が設置されたというニュースが目に留まりました。
いいですね、お風呂場。記事の中では、高齢化が進み過疎化も進んでいるその地域では、自宅で一人でお風呂に入り倒れると危ないので、公民館でお風呂に入れるようにする、みたいなことが書いてあったと思います。
たしかに、広い兵庫県内はいろんな地域がありますが、その地域は山間で、高齢化率も進み、地域のつながりは昔ながらの縁がありますが、それにしても四六時中お互いに見合えるわけではないので、独居や高齢者世帯となると不安が大きいのだろうと思います。

公民館にお風呂!いいアイデアだと思いました。

昨年度、私は兵庫県内のあちこちの地域の公民館などを訪れる機会がありました。
兵庫県が実施していた、防災と福祉の連携促進モデル事業で、連携促進支援員として活動する中で、地域の避難について考え、いろんな地域を見る機会がありました。

大抵の公民館にはお風呂はありません。というか、お風呂がある公民館は、私が行ったところにはありませんでした。
トイレも、車椅子が入れるようなところはほとんどありませんでした。
バリアフリーになっていないところも多く、さすがに車椅子やリクライニングできるバギーや車椅子では気軽に行くことは難しいのかもしれないなぁと思ったものです。

今年、コロナの影響で、「コロナが流行っているときに、地震がおこったらどうしたらいいのか」という疑問が沸き起こり、ネットニュースや新聞などでは、どのように考えると良いか、備えると良いかという話や、行政などがどのように対策をするかを伝える記事がいろいろと出ていました。

避難所でスペースを広くとることは、避難所の収容人数を大幅にさげることになります。
そうすると、他の施設を避難所に使うことになります。
公民館も、立地と建物が頑丈であれば、そのようになるでしょう。
その他、いろんな公的な施設が避難所になり得ると思います。

もし、公民館に避難をすることを考えると、ある程度のバリアフリー化ができていることは、避難しやすさにつながります。
車椅子の高齢者や障害者だけでなく、ベビーカー利用や乳幼児連れの人にとっても、だれにとっても、バリアフリーな環境は使いやすいのでしょう。
そして、お風呂がある、というのは、その時にみんながお風呂に順番に入るのは非現実だとしても、あるとないでは大違いだとおもうのです。
いや、実際、あればお風呂やシャワーにかわるがわる入れるでしょうし、何かを洗う場合にも役立ちます。

公民館を避難所にすることを考えると、それなりの備蓄品や、食事が用意できる設備、暖をとるための設備、毛布などもそれなりな量がいるでしょう。

一度にすべてを叶えることは難しいのですが、日ごろから役立てる設備を持つことで、それがいざという時にも活用できるものは、いろいろありそうです。

「避難所になるなら、お風呂がついていたらいいのにね」という会話をしたことが、別の地域では実装されていて、災害のときだけでなく、日ごろから地域の暮らしを支える設備として利用されるということ。
なるほどな!と思いました。

災害と平時を分けて考えると、災害のことは後回しにして考えがち。
平時の向こうに災害があるとすれば、考え方は少しちがうかも。

できるだけ安心がたくさんあるように、日々の暮らしの在り方や、お互いにできること、既存のものを活かして使うことを考えてみるのは、とても良いことで大切なことだと思いました。

参考:2020/6/9 05:30 神戸新聞NEXT
公民館で安全に入浴 高齢者向け共用の浴室完成 佐用・西新宿集落