こんにちは。森のすず社会福祉士事務所 所長の森保です。
年の瀬。いろいろ楽しいイベントがありますね。
特に子どもにとっては、クリスマス、冬休み、大晦日、お正月。
年と共に親から離れ、友達同士の行動も増えて来ると思います。
年末年始は気ぜわしく、一方で浮かれた気分になりやすいのは、大人のほうがそうかもしれません。
子どもも、大人も、事故なく楽しい年末年始をすごしたいものです。
ところで、最近、「伝えようとする力」って大切だな、と思うことがありました。
伝えようとする・・・伝えたい、理解してほしい、わかってもらいたい、と思い行動する力。
私自身が深く感動し、関心し、自分自身についても、支援についても考え直すきっかけになったことがありました。
書き記しておきたいと思います。
知人のお子さんのお話なのですが、お子さんのAちゃんは義務教育の中ほどを過ぎた年齢。
やはり友達との関係がどんどん広がる時期なのでしょう。
友達と遊びに行くことを、親である知人に交渉しているようでした。
たしかにその要求を聞いていると、年齢にしてはちょっと心配かな?と思うような、でも、最近のお子さんはそれぐらいは当然かな?とも思えるような・・・。
知人の対応は、「却下」でした。子どもなのに、まだ早い!と。
まぁ、そういわれたらそうだしなぁ~と、はた目には思う対応をされていました。
ここで私自身が自分のことを思い出すと、これ以上は交渉できなかった思い出がよみがえります。
私の父は、いわゆる頑固な人でした。
ダメといえば、ダメで、だれもそれ以上の交渉はできません。
ダメなものは、ダメ。親がダメと言ったら、もう、ダメ。
だったらどうするか?? あきらめるか、嘘をつくか、2択です。
そういう経験を積んできたなぁと思います。
ところが、このAちゃんは、違いました。
その後も、根気強く、交渉、説得を続けていたのです。
どうしても行きたいことを、一生懸命表現していたようでした。
どうすれば行けるのか、約束事の提案など、など。
おそらく、その年ごろの子どもにとっては、親はまだまだ大きな存在です。
それは、生きていく上で、精神的にも物理的にも。
ある意味、その大きな存在である親にきちんと正面から向かっていき、一回ダメでも、何度でも繰り返し挑むす様子に、私はすごく衝撃を受けました。
もちろん、そういう交渉やコミュニケーションが取れるような関係づくりは、その場でできあがるものではなく、それまでの育て方や環境や家庭の中のバランスや温かさがあってこそ、だとは思うのですが。
でも、すごいな、Aちゃん!!
Aちゃんのその取り組みを知って、私は、相手が大きくても、立ち向かえないとおもっても、勝てそうにないとおもっても、きちんと繰り返し自分の要望を主張し、いろいろと交渉してみることの大切さを思いました。
そして、交渉技術だけでなく、「伝えたい、わかってもらいたい!」と思うことの大切さがそもそも根底にあり、それをあきらめずに行動に移し続けることの大切さを、Aちゃんから学びました。
それは、とても大切なことです。
世の中には、私を含め、親や自分にとって大きな存在である人に、「ダメ」といわれたら、それでだめだと思い込んでしまうことは多々ます。
それに縛られて、ダメ、できない、無理、という束縛の中で生きていくことも、多々あります。
でも、主張しなければ始まらない。伝え続けようとすることは、力になる。
Aちゃんの姿を通じて、そんなことを考えました。
そして、それができるようになる、ということは、きっと人生にとって大きなプラスだし、私自身も、Aちゃんのように根気強く説得できるようでありたいとおもいました。また、Aちゃんがきっとそういうスキルや気持ちを身につけられたように、育て支援する立場として、思うことはたくさんありました。
子どもからも、学ぶことはたくさんあります。
私にとって、Aちゃんは、私の人生の中で大きな影響を与えた一人だなぁと思うのです。