認知症

「でんちゃん声かけ訓練」~安心安全に暮らせる地域をみんなで~

 

こんにちは。森のすず社会福祉士事務所の森保です。

すっかり冬らしい寒さになりました。いかがお過ごしですか?

12月9日(日)に姫路市の大塩・的形エリア(大的地域包括支援センターエリア)で、「でんちゃん声かけ訓練」が開催されました。企画・準備段階から参画させいただいたので、そのレポートです。

まず、「でんちゃん声かけ訓練」の『でんちゃん』とは何か??

この地域には『でんちゃんプロジェクト』が立ち上がっていて、活動されています。

でんちゃんとは・・・

伝えたいでんちゃん(上)とでかけたい伝ちゃん(下)

↑これです!
これは、認知症になり外出して戻ってこられなくなる方を地域皆でみまもるためのグッズで、

このような形のワッペンです。
色は2種類。

オレンジ色のボディに茶色いチェックの家(殻?)を背負っているでんちゃんは「伝えたい伝ちゃん」。

緑色水玉のボディに黄色い家を背負っているでんちゃんは「出かけたいでんちゃん」。

認知症等でお出かけ先で支援を必要とされる可能性のある方が、出かけたいでんちゃんを身につけます。裏面には住所や電話番号を書くようになっています。
鞄や服のワンポイント・ブローチとして利用されているようです。

このでんちゃんたちは、地域の『でんちゃんプロジェクト』に協力されているボランティアでつくっていらっしゃいます。1個200円で販売されています。

「でんちゃん声かけ訓練」

でんちゃん声かけ訓練とは、でんちゃんプロジェクトに参加する皆さんと地域包括支援センターが主催した、いわゆる認知症で道に迷ったり外出先で困られているかもしれない方への声掛け訓練です。

森のすず社会福祉士事務所は、これまでの姫路城周辺で実施した同様の声掛け訓練のノウハウをお伝えし、企画運営にご協力させていただきました。

認知症等により外出時に支援が必要な場合を想定した訓練には、

  1. 行方不明判明時に一斉に探し回ることを想定した模擬訓練
  2. 日頃から声をかけ行方不明や事故を防止することを目的とするもの

に分けられると思います。今回は、2のパターンです。

大勢の方に、複数回声掛けにチャレンジしていただくために、「ウォークラリー」形式をとりました。また、さまざまな状況の方に声掛けを体験していただくため、7カ所用意した声掛けポイントには、さまざまな状態の方を想定した「役者」さんを配置しました。さらに、適切に声掛けをしていただくために、リハビリ専門職のみなさんにもボランティア協力していただき、声掛けのサポートと「役者」の皆さんへの認知症等の説明を行いました。

ちなみに「役者」さんももちろん地域のボランティアさん。

当初、演じることには多少抵抗があったようですが、いざ始まってみるとなり切っていらっしゃいました。これには同行していたリハビリ専門職の方もびっくりするとともに、「先輩方からは学ぶことが多かった」と感想をはなされていました。

作業療法士さん(右オレンジ)の説明を熱心に聞かれる参加者のみなさん。
歩行されている方、座り込んでいる方、車椅子の方などさまざまなシチュエーションを役者さんに演じていただきました。
子どもの参加も多く、小学校で開催された「認知症サポーター」の受講の印『オレンジリング』をつけて参加されていた方もいらっしゃいました。子どものみなさまには、困っているような人をみつけたら大人に連絡する過程を行っていただきました。

では、一日のその他の様子を。

寒さが厳しく、この冬一番の寒さと言われた朝。曇り空ですが、日差しもでてきました。

10時、スタッフ集合です。

参加賞のシクラメンも届きました。参加者150名プラス予備分をご用意されたとのことで、なかなかの圧巻。みんなで袋詰め作業を行いました。

13時30分。開会式です。
場所は広い公園。寒い中大勢の方が集まってこられました。
予約申し込みを受け付けていましたが、当日の朝町内放送を流していただいたことから、当日参加の人も大勢いらっしゃいました。

想定していた時間よりも早く進み、少し早めに終了。
参加者のみなさんには、7カ所以上のポイントをまわっていただき、声掛けをおこない、アドバイスを聞き、シールをお渡し。5個以上のシールをあつめていただきました。

閉会式では、統括をさせていただきました。
認知症の方が安心して暮らせる街は誰もが住みやすい街、また、こうやって地域の方が一緒に力を合わせる機会は災害時などの地域の人がお互いに気にかけあい助け合う時にも、必ず役に立つ力となることをお話しました。

直後に開催された反省会では、改善点もたくさん提案され『次は』『今後は』と次回開催に向けた前向きなご意見がたくさんでました。また、地域の代表の方が、この地域だけにとどめずこれを広く市域に広めていきたい、広報していきたいと語っておられたことが印象的です。

良い機会に参加させていただきありがとうございました。

 

森のすず社会福祉士事務所では、「高齢者等見守り声掛け訓練」の企画・運営にご協力させていただきます。安全に、楽しく、みんなで学べる機会を作り、住みやすい街づくりを地域主体で行うためのノウハウをご提供いたします。お気軽にご相談ください。