本の紹介『カモメになったペンギン』

【読書の記録15】
この前の土日は、淡路へ、社会福祉士会近畿ブロック大会に参加しに行ってきました。久しぶりの淡路島。スタッフだったので、裏でゴソゴソしていましたが、二日目の記念講演では舞台袖の機材スタッフ(でも、機材は会場にプロの人が付いているから触る余地なし)だったので、真横から記念講演を聞けました。
その中で紹介されていた本が、『カモメになったペンギン』です。便利な世の中なので、紹介されているその場でamazonでKindleをぽちりました。
あれは、何年前だろう。スペンサー・ジョンソンの「チーズはどこへ消えた?」が流行りましたねぇ。この本は、なんとなく表紙を見た瞬間に、あの本が思い出されます。開いてみると、スペンサー・ジョンソンのメッセージがありました。
ちなみに、チーズは2000年に日本語翻訳版が発行されたようで、そうか、かれこれ、四半世紀か・・・。
なお、チーズはベストセラーになっていたと思いますが、私はチャンスがあれば言っていますが、この手の(翻訳された、マネジメントサイエンス的な)本で私が一番影響を受けてたのは「ライト,ついてますか: 問題発見の人間学」です。1987年の発行で、割田氏は当時小学6年生ぐらいだったこともあり、ベストセラーになったのかはリアルタイムでは知りません。大学1年の最初の専門科目の授業で、先生が壇上で紹介されていた本です。この1冊で、モノの見方がかわりました。そして、たぶん、今の仕事のアセスメントスキルにつながっていると思います。
さて、カモメとペンギンの物語ですが、動物(鳥)が主人公ではあるものの、擬人化されている、壮大なたとえ話です。組織経営、チームビルディング系の。
カモメとペンギンの、子供向けの絵本であれば、奇想天外な展開が繰り広げられそうですが、基本的には基本的な組織のまとめ方や経営的な意思決定についてのノウハウ本なので、展開は予想できます。その意味で、めちゃくちゃ面白い本、ということはないのですが、読みやすいので、ささっと読めます。
誰かに説明するときに、たとえ話をつくる参考になると思います。
とはいえ、ペンギンを題材に選んでいるのが、親しみやすさの点においては、ポイントが高いでしょう。そして、ペンギンの集団が時に対立し、時に疑い、時に一致団結し、時に勇気を振り絞ったり、考え悩む姿は、脳内でペンギンのアニメーションが再現できる才能のある人は、楽しく読めるでしょう。
ビジュアルシンカーには、この手の可愛いたとえ話啓発本は、あっている気がします。
なお、十分大人になっても得ることはある本だとは思いますが、できれば、高校生や大学生の間に読んでおくといいかも。中学生でも読めると思います。多様な考え方が必要だというメタな認識を身に着けるには、程度に若いころが良いかと思います。
もちろん、若いころにそういう本を読まなかった人は、今からでも遅くありません。そう、何かをするのに、遅すぎるということは、めったにありません。過ぎた時間を巻き戻すこともできないので、「遅すぎる」と躊躇している時間自体がもったいないです。読みたいと思ったら、Amazonとかでぽちっとしましょう。
カモメになったペンギン 単行本 – 2007/10/27
ジョン・P・コッター (著), ホルガー・ラスゲバー (著), 野村 辰寿
出版社 ‏ : ‎ ダイヤモンド社 (2007/10/27)
発売日 ‏ : ‎ 2007/10/27
言語 ‏ : ‎ 日本語
単行本 ‏ : ‎ 101ページ
ISBN-10 ‏ : ‎ 4478000344
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4478000342