【読書の記録11】
中学校の公民の教科書。
もちろん、今の時代のもの。
社会保障を大学で教えながら、もうちょっと分かりやすくできないものかと思っていたところ、Facebookでお友達が今時の高校の教科書を読んでいるのをみて、これだ!と思ったのがきっかけ。
高校の『公共』『倫理』『政経』も買ったけど、まずは中学から。
出だしから災害と防災の記事が多い。
福祉に関することも多い。
『高齢者宅を訪問する地域包括支援センターの職員』とか
『尊厳死をめぐる議論』とか
『食事の介助をする介護福祉士』とか
『居宅サービス、施設サービス、地域密着型サービス』とか。
絶対に私の時代の教科書にはなかった。
2000年から介護保険が始まったけど、その前に中学生だったから当たり前だけど。
国際社会の話題とか、政治もかなり詳しく載っていて、面白い。
日本の主な政党一覧は、2002年8月現在の党首の写真も出ていて、NHK党の選挙の公約が、『子供が生まれたら、出産した母親に10,000,000円を支給する』って書いてあって、子供たちがこれを見たらなんて思うんだろうっていうのが興味深い。
大人になってから、中学校や高校の教科書を見ると、すごく工夫された本だと言うことがよくわかる。
中学校の公民の教科書が、大人になってから見ると、結構当たり前に知ってることばっかりが書いてあって、さらっと読めちゃうんだけど、子供にとっては社会人となるために大事な一冊じゃないかなぁと思う。
入試のためだけに学ぶのはもったいない。
入試のためだけに、詰め込んでしまうと、役に立たない。
社会保障の話も、さほど量は多くないけれど、基礎としてはしっかり書かれている。
社会保険と、社会扶助の違いも、多くは無いけれど、その分要点を絞って書いてある。
大学生に話を聞いていると、もっと子供の頃から社会保障について教えるべきだと言うことを各学生が毎年何人かいるんだけれど、思ったよりも学ぶ機会はあったのかもしれない。
中学校の教科書にはそれなりに書いてあるので、学ぶ機会はあったんじゃないかと思うが、中学校の先生がどんなふうに指導し、学んだことを子供たちがどんなふうに吸収し、何のためにアウトプットしようとしたかが、ちょっと目的とずれてるのかなあ。
いずれにしても、この年で、中学校の教科書を読むのはなかなか面白い。
この後は、高校の公共の教科書を読もうと思う。
(本の情報)
- 出版社 : 東京書籍 (2020/3/1)
- 発売日 : 2020/3/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 255ページ