本の紹介『漫画方丈記 日本最古の災害文学』

【読書の記録8】
方丈記について覚えていたことは、冒頭の文章だけかもしれない。中身、読んだことあったっけ?古文の授業でならったっけなぁ・・・。
ということで、今日の課題図書は漫画でよむ方丈記。漫画だから、簡単に読めます。それ以前に、方丈記は、とても短いので古文で読んでも、すぐに読めますけどね。
この本は、漫画で表現した方丈記と、養老孟司氏による解説、そして最後に方丈記の原文がよめるもの。
それにしても、冒頭の「ゆく河の流れは絶えずして・・・」の1文しか認識していなかったので、中身が災害ものだとは知らなかった。こんな調子だから、教養がないと言われても仕方がないとおもう。ちなみに、古文より漢文の方が好きだったなぁ。
年表を見てみると、著者の鴨長明は1155年ぐらいに生まれたらしく、福原遷都を経験し、その前後から62歳でなくなるまで、対価や飢饉や大風や地震などなどに遭い、それを方丈記に記している。
日本では昔から、いろんな自然の猛威におろおろしながら暮らしてきたんだな。一方で、自然の豊かさに喜び、春や秋を心待ちにしていたりもしたと思う。
地震で家が壊れ、地面が割れ、それに巻き込まれて、人の命が失われたり、住処がなくなったりすることに悲しむのは、おおよそ1000年前も今も、かわらない。
時は流れてどんどん変わっていき、元の状態はすっかりない。と、鴨長明は方丈記を始めるけれど、たしかに、人が一生のうちに見える範囲で家や人の命を見るとどんどんと変わってはいくものの、もっと広い範囲を見ると、人間は同じことを繰り返しているのだろうなと思う。どれだけ技術や科学が進歩したとしても、人が食べて寝て暮らしていくのは、かわらないもんなぁ・・・。
ここから先の未来で、人間の暮らしは何か大きくかわるんだろうか?
それにしても、鴨長明が最後の方に住んでいた庵がうらやましい。コンパクトなたたずまいで、山の中で、のんびり暮らす。
「あなたの部屋、モノであふれかえってるやん」と言われると否定はできないが、できれば私も、近いうちに、ひっそり山奥で暮らせたらいいのになぁ・・・お金とか、気にせずに。
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漫画方丈記 日本最古の災害文学
鴨長明 (著), 信吉 (イラスト)
出版社 ‏ : ‎ 文響社; A5版 (2021/9/10)
発売日 ‏ : ‎ 2021/9/10
言語 ‏ : ‎ 日本語
単行本 ‏ : ‎ 192ページ
ISBN-10 ‏ : ‎ 4866514078
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4866514079