月別: 2022年4月

幼児の成長やなんやかんや

はさみ、ちゃんと持ててますか?
私は、ちゃんとは持ててません。モノを切るのには苦労しない程度には持てます。実際、苦労をしたことはありません。でも、ちゃんとした持ち方じゃない、ということを知りました。

先日、保育・幼児教育をされている先生と雑談をしていたのですが、なにかの話の流れから『ちょっと、はさみつかってみて』と、工作ばさみと紙きれを渡されました。何気なく切っていると『人差し指を輪の中にいる人が、半分ぐらいいる。でも、本当は人差し指は外に出してにぎるのが、ハサミのにぎり方なんだよ』と教えてもらいました。

つまり、握り方はこういうことです。

私のにぎり方:はさみの輪の中に、一方は親指を、もう一方には人差し指と中指をいれていました。薬指と小指は外です。

正しいにぎり方:はさみの輪の中に、一方は親指を、もう一方には、人差し指は輪の外に添え、中指だけ、もしくは中指と薬指をいれる、その他の指は輪の中に入れず添える。

人差し指を外に添えることで、刃を自由自在に動かすことが可能です。私のように、人差し指を中に入れてしまうと、(自分では、何不自由なく動かしているつもりですが)動きがぎこちなく、細かな作業がむずかしくなります。

切り絵など、こまかなはさみの作業が必要な人は、人差し指を外に出して握っていらっしゃるのではないかと思います。美容師さんとかだと、人差し指と中指も外に出されているのかもしれません。いずれにしても、輪の外に出す指が、細やかなはさみのコントロールをしている、ということらしいです。

半分の人が、私と同じ握り方。半分の人は、そうではなく、人差し指を輪の外に出すにぎり方。この、握り方の差は、どこから来ているのでしょう?

思うに、もし、私が幼児の頃に、『ハサミのにぎり方は、こうだよ』と教えてもらう機会があったら、直せていたのではないかな、と思います。(たぶん、それぐらいの素直さはあったのではないかと・・・)思い返しても、ハサミの持ち方を習った記憶はありません。忘れているだけかもしれませんが。ハサミを使い始めたころの年齢も覚えていないのですが、当初はおばあちゃんが仕事に使っていた糸切りばさみ(持つところに輪がなく、柄の部分がU字型になっているもの。握って使う。糸を切るのが目的だから、細かな動きを想定していないであろうはさみ)をかりて、ちょっとした工作をしていたような記憶があります。輪が無いので、指をどこに置くかという意識はしたことがありません。そのまま、工作ばさみを使うようになった気がします。

そんな話から思ったのは、最初に正しい道具を使うこと、助言までいかなくても見本やヒントになるものがまわりにあること、試行錯誤しながら考え修得できるだけの十分な経験が詰めること、が大事なんだなと思う機会になりました。

私が小さいころ、鉛筆の持ち方は小学1年のころにかなり注意された気がするんですが、今ではすっかり正しくない持ち方です。書くことが出来ればいいんだ、という考え方もできますが、正しい持ち方というものがあるのは、力の入り方や操作のし易さなど、何かの理由があるのでしょう。でも、習得できませんでした。

ペティナイフの持ち方も、私は指を添えずに回し込んで柄をにぎっていて、おかしいと時々いわれますが、なおりません。

一方、お箸の持ち方は、大学のゼミで指導教官から正しい持ち方を教えてもらう機会があり、直せました。その後、友人など親しい人の間だけでなく、仕事の中でも食事を一緒にする機会が多く、お箸をきちんと持てるようになったことは、とても良かったと思います。今でも、正しく持てています。

大人になっても直せなくはないのですが、でもやはり、子どもの頃にできれば習得しておけた方がいいのかな、と思います。もし、子どもの頃に、最初から教えられてそれを覚えるのではなく、試行錯誤して道具の使い方のコツを身につける機会があれば、より一層、素敵な学習になるだろうと思います。

これから育つ子どもたちが、たくさん試行錯誤の経験をし、工夫をし、いろんなことを身につけてもらえたらいいなと思う今日この頃です。