読書:不安・イライラに振り回されない介護のストレスマネジメント
今年は読書&記録をやっていきたいと思います。森のすず社会福祉士事務所 森保です♪
2019年の4冊目は→ 「不安・イライラに振り回されない介護のストレスマネジメント」 小野寺 敦志 (著)
今の私は介護の現場職ではないのですが、かつてはそうでした。
今思うと、確かにストレスフルだったなと思います。
介護の仕事って、どっちを見ても人人人。分かり合える人ももちろんいます。でも、そうでない場合もあります。ありがとうと言われるばかりでもありません。ちゃんとやっているのに罵倒されることもあります。思うようにうまくできないときもあります。入職すると分からないことだらけです。職場によっては教育体制が成り立っていない場合もあります。話しかけにくい空気があることもあります。いじわるな人だなとかんじることもあります。何度聞いてもよくわからないこともあります。何度言ったらわかるんだと思うこともあります。個別のルールがおおくて覚えきれなかったりすることもあります。体調がわるいこともあります。突然人手が減ってクタクタになることもあります。休憩時間がまともにないこともあります。何やってるんだろうとおもうこともあります。あぁ、何のためにやってだろうとおもうこともあります。ほんとにいろいろあります。
ほんとにほんとに、いろいろと、あるものだなぁと思います。
もちろん、仕事なんてだいたいストレスが付きまといます。どんなに自分が好きで選んだ仕事でも、やりたかったことでも、それが仕事である以上、ストレスが全くないという人はいないんじゃないかと思います。なぜなら、やりたいことだけをやりたいペースでやってていいものではないから。仕事の場合、付随するいろいろな…面倒だと思うようなこともしなければならないこともありますし、そもそも完全に一人で完結するような仕事はすくなくて、何らかの形で他者とかかわりを持たなくてはならず、そこに大小さまざまな摩擦を生じるからです。人と人が集えば、多かれ少なかれ、ストレスは生じるんだと思います。
とはいえ・・・だから、じゃぁ、仕方がない、と言ってしまうべきではありません。仕方ないですますべきではないと思います。誰もが。どんな立場でも。
実際、昨今、企業等の人事管理においては、社員の健康は肉体的な健康だけでなくメンタル面への配慮も必要とされています。ストレスチェックを職場で受けたことがある人も多いのではないでしょうか?それが実際、何の役に立っているのかは職場それぞれでしょうが・・・
そんな感じで、働く間のストレスマネジメントは大切なのですが、介護職の場合、対人業務であることから、より一層、ストレスを感じる機会は多くなる可能性があります。そして、支援をする相手の方と、なかなか意思疎通がむずかしかったり、こちらの意図とは全く思ってもいないようなことになったり、それが時には命に関わったり大きなけがにつながったり・・・。介護の仕事って、難しいなぁと思います。介護技術が必要なうえに、例えばオムツ交換が技術的に上手である必要性に加えて、上手に信頼関係を維持しながら介護を行うって、ほんとに難しい。私はそう思います。
ストレスをむしろ受けるほうがごく当たり前の世に感じるその職場で働く介護職の皆さんには、ストレスをうまくマネジメントすることを身につけるのって、大切だなぁと思います。
思い起こせば、私も夜勤がしんどい時にはイライラしていたと思います。イライラしていたから余計に夜勤がしんどかったのかもしれませんが。いずれいしても、きっと平常心で接するような笑顔はできていなかったのではないかと、過去を思い起こせば反省するしかないです。(もちろん、忙しくても、充実していたなぁと思う夜勤の日もありましたけれど) イライラしているということは、気持ちに余裕がないですし、余裕がないということは、本来なら気づくであろう異変に気付かなかったり、配慮ができなかったり、態度がツンケンしてしまっていたり・・・きっとそんな感じでしょうね。
さて、ストレスマネジメントは、当然、組織経営の視点から考えるとスタッフのストレスマネジメントを配慮することは大切です。ストレスに疲れてしまい働けなくなることは、組織にとっては大きなダメージです。特に、介護業界・・・人手不足、大切なスタッフ。継続して働いてもらいたいですから。
そしてもちろん、経営者からストレスマネジメントをしてもらう・・そんな風にまかせっきりではよくないですね。個人個人が自分でできる限りのストレスマネジメントをすることは、自分自身を守ることにつながります。もちろん、ストレスをうまく解き放して余裕をもって仕事をすることは、利用者さんへの良い支援につながるわけですけれど。でも、私は「利用者さんへの支援をよくするために個人がストレスマネジメントをしなければならない」とは、言いたくありません。
あなたが、わたしが、のびのびと気持ちよく働けることが、利用者さんへの良い支援につながると思っています。
卵が先か鶏が先か、みたいな話ですが。
もちろん、『良い支援をしたい!そのためには、私はどんな苦労でもする!!』っていう人がいたら、それはそれでとても素晴らしいことだと思います。それならそれでいい。
でも、多くの人は、やはり自分の生活のために働いているという部分も大きいと思いますし、そもそもやっぱり、人は自分のために、ということを考えることも大切だと思うんです。
だから、自分が、笑顔で働き、笑顔で一日を終え、笑顔でプライベートを過ごせたらいいと思います。
「あぁ、今日はよく働いたな、がんばったな、よしよし」
そんな風に思えた一日は、きっと良い支援もできたんじゃないかな、と。
だって、イライラした気持ちで働いた日は、そんなこと、感じられないでしょう?
悲しい気持ち、おどおどした気持ちで仕事をしていたら、背伸びをして「あー、がんばった!」とは言えないですよね。
私は、そんな風に一日を終えられる仕事ができるよう、介護職の皆さんを応援したいと思います。
ということで、ときどき施設向けの虐待防止研修をしたりするのですが、ストレスマネジメントはその一環としても大切です。
私はこの本を、分かり易くストレスマネジメントを伝えるために、概要をまとめるのを参考に読みました。もう少し専門的
ストレスマネジメントについて、基本的なストレスについての心理学の理論がまとめられています。
介護制度の仕組みなどの解説もあります。
アンガーマネジメント、マインドフルネスなどの紹介もります。
内容は入門的な話なので、ストレスマネジメントについて一度も触れたことがない人向けかもしれません。
イラストも多く、読みやすいです。
気になること、もっと知りたいこと、学びたいことがあれば、より専門的な書籍や、研修へ。
場合によっては学問へとつながるのかも。
とりあえず、イライラすること自体は、いろいろある世の中、しかたないです。
悲しくなることや、何やってるんだろうと思うこともあります。
でも、またしばらくして、立ち上がって笑顔になれるように。
ストレスマネジメントの知識は、知っていると良いと思います。
- 不安・イライラに振り回されない介護のストレスマネジメント
- 単行本: 192ページ
- 出版社: ナツメ社 (2018/8/9)
- 言語: 日本語
- ISBN-10: 4816365133
- ISBN-13: 978-4816365133
- 発売日: 2018/8/9