こんにちは。森のすず社会福祉士事務所 森保純子です。
さて、平成も残すところ、あと2日。4月29日は昭和の日。昭和から平成にかわり、31年目。そうか、もう、31年。時がたつのは早いものです。31年の間に、福祉はずいぶんと変わりました。社会福祉士の資格ができ、措置から契約の時代へ、主体性が重んじられる一方自己責任論と意思決定支援が変に混ざってしまい守られるべきものが守られていない現実もあるように思います。次の時代、福祉だけでなく、さまざまな面において、平和であり前向きに進める時代となりますように。
世間は連休なので、それに便乗して、ブログ10連続に挑戦しています。今まで書いてきたことや考えてきたことを、振り返りながら。
とりあえず3日続いたらいいだろうとおもう3回目の今回は『ジェネラリストな福祉職になりたい』
基本的に、専門職というのはその道の専門家、つまりスペシャリストです。医学の視点を持つ医師、薬学の薬剤師、看護学で看護師、法学で裁判官や弁護士や検察官、教育学で教師、その他、科学技術系、人文系、芸術系などなど、いろんな分野にそれぞれの専門家がいらっしゃいます。
じゃぁ、社会福祉士は??
社会福祉士は、「ジェネラル」という視点をもつ専門家です。ジェネラリスト、というのが人を表す名詞形ですね。
ちなみに、意味を調べてみると大辞林では
ジェネラリストが「分野を限定しない広範囲な知識・技術・経験を持つ人。ジェネラリスト。⇔スペシャリスト。」
スペシャリストが「特定分野に深い知識や優れた技術をもった人。専門家。⇔ゼネラリスト。」だそうです。 (参考:https://iso-labo.com/wakaru/business/specialist_generalist.html)
ということで、ジェネラルのスペシャリストってなんやねん?という感じなのですが、まぁ分野を限定せず広い視野をもって福祉(これまた、考えると漠然としたものですが)に取り組む専門職、ってことになるでしょう。
ちなみに、「ジェネラリストソーシャルワーク」という概念があります。
よくよく考えてみると、福祉とは人の人生における幸せを意味する文字2つを連ねた単語で、今の時代には社会的弱者や何らかの支援を必要とする方へのサポートという意味合いが強い気がしますが、ざっくりととらえると、生活をより良くする、という話になるかと思います。
「生活」というのは、生まれたときから、死ぬその瞬間まで続きます。それは一人の人生の始まりから終わりですが、その間に家族や知り合いができ、その影響は一人の人の誕生から死ぬまでで完結するのではなく、次世代や同世代に影響を及ぼします。
なので、人の生活をより良くしようとすると、自然と、生活のさまざまな場面や人間関係について、それがうまく機能していない場面に関わる必要があるのかなぁ、とおもうわけで、それをしようとすると、あれもこれも・・・ということになります。
最終的には、あれもこれもをすべて一人で担うのは無理なので、医療なら病院へ、もめごとなら司法の場へ、という感じでスペシャリストにつながっていくべきだと思うのですが、そこまでのサポートや、その山を越えた後のサポートが、できるようになりたいなぁ・・・と、思います。
いろんな生活を総合的に全体的に、つまりジェネラルに、必要に応じていくらか対応できる技術を身につけたいな、という思いで、森のすず社会福祉士事務所は日々精進したいと考えています。
私の福祉業界につながるきっかけは、発達障害の子どもへの教育支援が直接のきっかけですが、福祉への興味と関心はそれ以前の出来事が切っ掛けでした。当時高校1年生で進路を決めようとしていた時に読んだ新聞記事には、「障害のある人もない人も同じものを使えるパソコンを開発した高校生の話」が掲載されていました。どこかの高専かなにかの生徒さんが、当時はまだ珍しかったパソコンを、ユニバーサルなものにした、という話です。記事の詳細はわすれましたが、その記事をよんで、これだ!と思いました。当時はまだ、インターネットが家庭に普及する前、ポケベルがあった時代かな。
その後、ソフトウェア開発の勉強ができる大学になんとか無事に進学し、才覚はめざめずそれなりに卒業し、それなりに生きていこうと思いましたが、仕事の中で発達障害(当時はまだその名称は普及していなかったけれど)のお子さんに出会い、どうにか支援や何かできることを探そうと思い、大学院へ進学しました。
その後、いろんな縁があり、ソフトウェア開発から障害児教育、障害者支援、高齢者支援を経て、あちこち寄り道しながら今に至っています。
福祉の分野は、「何分野ではたらいていますか?」と聞かれるほど、さまざまな分野があります。こども、家庭、学校、就労、高齢者、障害者、更生支援、貧困支援、外国人支援、などなど。その中では共通して、虐待問題がおこったり、触法があったり、その結果、権利侵害されたりしたりと、さまざまなことが起ります。
人の生活は、年齢とともにステージがかわり、こどもはやがて大人になります。家庭の中から学校へ、そして社会へ。さまざまな状態で生まれたり、生まれた後もいろんな出来事で生活状況がかわることがあります。
もちろん、社会福祉士の資格を持ち、よりスペシャルに、各分野を極める人の存在は大切です。今の世の中の制度が、「分野」に縦割り化されて発展していることや、それぞれがものすごく細かな法律等の規定に基づいて運用されている以上、この分野に特化して知識を身につけ支援することは、制度を活用する上でも大切なことだとおおもいます。
それと同様に、全般にある程度対応でき、より専門的な人たちとつないでいく役目も大切だと思っています。
私は、後者を担う社会福祉士でありたいともいます。「いろいろやってるけど、専門は何?」と聞かれますが、それでいいと思っています。「専門は、社会福祉全般です」と自信をもって答えられる日はまだまだ先ですが、そう聞かれ続け、そう答え続けられるように、続けていきたいと思います。
とはいえ、実際のところは、私の専門的視点は、認知機能・判断・理解・実行に支援を必要とする人の権利擁護、というものだとは思っています。これ自体が、すごく広いので、結局は「何を専門とする人?」とは問われるづけると思っています。
これからも、学び経験し、それを社会へ還元できるように努めていきたいと思います。